7月にマイナビが開いたインターンシップの説明会。学生はカジュアルな服装で参加した=東京都江東区
2019年春に卒業予定の大学生や大学院生を対象にした企業のインターンシップ(就業体験)が始まっている。インターンを通して、学生は志望企業の仕事を知ることができ、企業は学生に早く出会える。一方で、3月の採用活動解禁を前に、「事実上の選考になっている」という指摘もある。実態はどうなっているのだろうか。
特集:働き方・就活
7月のある土曜日、東京都江東区の東京ビッグサイトで、インターンシップへの参加を募集する企業112社の説明会が開かれた。就職情報を提供する「マイナビ」の主催で、19年春に卒業予定の3年生を中心に、大学生ら約8千人でごったがえした。
「すでに動いている友人が多いので」。静岡県の私立大3年の男子学生(20)は、夏休み中に、志望する生命保険2社のインターンに参加するつもりだ。都内の私立大理工学部に通う3年の女子学生(20)は、化粧品会社のインターンに申し込んだ。「まだ志望業種は決まってないけど、インターン参加はマイナスにはならないと思う」
「インターンが採用につながると思う?」と、10人ほどの学生に尋ねたが、「声がかかるのは優秀な人だけ」「採用につながるとよく聞くけど、わからない」など、意見はさまざま。学生側の不安や戸惑いが伝わってきた。
経団連の指針では、企業の採用活動の解禁は3年生の3月1日。選考の解禁は4年生の6月1日だ。だが、数年前から、3年時の6月に開設される大手就職情報サイトに登録し、夏休みなどにインターンシップに参加することが、実質的な就職活動の始まりになっている。先輩から「インターンで内々定が出た」などと聞き、参加する学生も多いようだ。
本来の就業体験は長期だが、最…