「台風に備えた家族と私のタイムライン」(CeMI環境・防災研究所提供)
台風が迫ってきた時にどんな対応をとれば家族の命を守れるか。
対策や避難のタイミングを決めておく防災手法「タイムライン」の家族・個人版を、NPO「CeMI環境・防災研究所」が4日、作成した。6日にも九州に上陸する恐れが出てきた台風5号の対策に役立てて欲しいとしている。
タイムラインは災害発生の想定時間からさかのぼって、時系列で対策を定めておく手法。到来まで時間的な余裕がありながら、被害を繰り返して来た台風への備えとして自治体や河川事務所が導入している。
今回の台風を機に、同研究所は、家庭や個人の対策例をまとめた「台風に備えた家族と私のタイムライン」を作成した。祖父母の2人と、離れて住んでいる父母と子ども2人の4人、計6人を具体例として想定している。
台風最接近の3日前には「避難場所・避難路の確認」「家や周りの点検」、2日前には「隣近所との連絡方法確認」「買い出し、非常持ち出し品の確認」などを終える。
祖父母の足が不自由な場合などは、1日前には子どもも含めて家族全員で安全な場所に避難する。台風が迫る12時間~数時間前には気象や河川、自治体の避難勧告などの情報を積極的に収集して、早めに避難を始める。災害発生時には避難を終えていることが望ましい――とした。
研究所の松尾一郎副所長によると、流木や土砂が残る九州北部豪雨の被災地では普段以上に早めの避難準備が重要だという。
「避難は風雨が強まる前に始めることが重要で、多くの地域でまだ間に合う。避難所に限らず親類宅などより安全で環境のいい所に移ってほしい」と話している。(竹野内崇宏)