2本塁打を含む3安打5打点の活躍で、ヒーローインタビューを受ける阪神のロジャース
(21日、阪神11―1ヤクルト)
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「ここ、ビジター球場だよね?」。阪神の新外国人選手・ロジャースは、来日初本塁打を放った際、驚いた。「1周している間、声援がすごくて『ホーム球場みたい』と思ったよ」。ほぼ360度、本拠地のファンで埋まる米国とは、異なる光景だった。
場面は、1点リードの四回1死二塁。ヤクルト・ブキャナンのカーブを、阪神ファンが待つ左中間席に運んだ。第1打席では、同じカーブで二ゴロに打ち取られていただけに「来るかな、と頭にあった」。狙った上での強振だった。
この一振りが、第3打席への伏線にもなる。
六回1死一塁。高めの148キロをバックスクリーンにたたき込んだ。「前の打席で変化球を打ったから、速い球で勝負してくるんじゃないか」という読み通り。七回も左前適時打を放ち、計5打点の荒稼ぎだ。
185センチ、117キロの巨体だが、勤勉な選手だ。今季途中に大リーグ・パイレーツ傘下の3Aから、阪神へ移籍が決まると、親会社や球団の歴史、金本監督の経歴などを調べた。野球に対する真摯(しんし)で謙虚な姿勢が、この夜の2本塁打を生んだと言える。
米国時代、チームメートから「パンダ」と呼ばれていた。「体が大きくて、横たわっている感じが似ているのかな」と本人。愛称はかわいいが、打球はかわいくない。チームが再び上昇気流をつかむために、カギを握る男が出現した。(井上翔太)
○秋山(神) 九回に失点し、7年ぶりの完封を逃す。「意識はもちろんしていた。でも1人で投げきれてよかった」
○金本監督(神) ロジャースの打撃について「バットの出し方がいい。体重移動が少ないから、(体が)ぶれない」。
○大山(神) ドラフト1位の新人が、九回に2号3ラン。「思い切っていくことだけを心がけました」