音楽と政治をめぐって話題になった例
「政治って意外とHIPHOP」。自民党新潟県連がこんなポスターを作ったところ、批判が相次いだ。音楽と政治が結びつくたび、しばしば論争が起きる。なぜなのか。そもそもの関係は――。
自民県連HIPHOPポスター、批判相次ぐ 新潟
県連がポスターを貼りだしたのは7月10日。髪をかき上げる若い男性のアップに「政治って意外とHIPHOP。ただいま勉強中。」とのコピー。県連青年部局がツイッターで「政治はオトコの身だしなみ」と紹介すると、ツイッターなどで「僕たちの好きな音楽ははやりに便乗した宣伝道具ではない」といった批判が殺到した。
県連の担当者は「そういった反響は想像していなかったので驚いている」。県連は8~12月、国会議員や地元企業トップらが講演する政治学校を計画しており、若い世代の参加を期待して初めてポスターを制作した。制作会社に依頼し、複数の候補から選んだという。「若者の意見を取り入れて新潟を良くしたいという思いだった。ヒップホップの音楽やファッションには多様性がある。政治でも様々な意見を聞いて議論したいという思いを込めた」。内部では「カッコイイのができた」「新しいね」などと好評だったという。
「持たざる者、声なき者に寄り添うことでヒップホップはここまで発展してきた。弱者切り捨て政策ばかり推し進めておいて、そこに若者を集めることのどこがヒップホップなのか」「大切にしてきた文化を踏みにじられたようで受け入れがたい」。1990年代からヒップホップグループ「キングギドラ」などで活動するラッパーのKダブシャインさんは、ラジオ番組などでポスターを批判した。