三回裏広島1死満塁、丸の先制2点適時打で喜ぶ広島ファン=上田幸一撮影
(16日、ヤクルト5―4広島)
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追うのは1点。広島は九回、田中、菊池の連打などで1死一、三塁を築いた。しかし、頼みの丸が三振に倒れ、代打エルドレッドのバットも空を切る。今季最多を記録した2日前をさらに上回る、3万2336人の前での胴上げはならなかった。
1991年以来、26年ぶりの地元でのリーグ優勝決定へ。千載一遇のチャンスだった。雨のため30分遅らせ、午後2時半に試合は始まった。丸の2点適時打、新井のソロなどでリードを奪ったまま終盤に入った。
それが、暗転した。七回を続投した先発の薮田が2死二、三塁を招き、代打大松に右前に転がされ同点に。八回は救援の今村を送り込んだが、2四球などで1死満塁を背負うと、中犠飛で勝ち越された。優勝目前の力みがあったのかと問われた今村は、「ないです。普通に(試合に)入れた」と否定した。
土壇場での攻撃陣の粘りはさすがだが、一歩、及ばなかった。緒方監督は実に悔しそうだ。「我々もファンも今日、決めたかった。勝ちきれず、残念だ」。17日の本拠でのヤクルト戦は、台風18号の影響が心配される。18日の阪神戦は、舞台が甲子園に移ってしまう。「天気だけはしょうがない。準備して明日に備えたい」。監督はそう言って、会見を終えた。(竹田竜世)
●緒方監督(広) 「選手もきょう決めたかった。ファンも決めて欲しいと、初回からすごい応援を感じた」
●薮田(広) 大一番の先発を託されたが七回途中4失点。「いい経験になった。これも野球なのでまた次、頑張りたい」
●今村(広) 八回、2四球などで1死満塁を招き、中犠飛で決勝点を奪われる。「ちょっとストライクが入らなかった」
●丸(広) 九回1死一、三塁で三振に倒れ、「結果として追いつけなかったので、(いい追い上げを)見せられたかどうかは分からない」。
●新井(広) 四回に9号ソロ。「しっかりとスイングできた。本拠で優勝を決めたいとみんな思っていた、と思う」