ヤフオクドームでのPV観戦で、ソフトバンクのリーグ優勝を立ち上がって喜ぶファンたち=16日午後5時19分、福岡市中央区、河合真人撮影
次は日本一を奪還だ――。プロ野球・福岡ソフトバンクホークスが16日、パ・リーグ覇者の座を奪い返し、選手らが支援を続ける九州北部豪雨の被災地にも明るいニュースが届いた。敵地での試合を地元・福岡で観戦したファンらは、喜びを爆発させた。
本拠・ヤフオクドーム(福岡市)であったパブリックビューイング(PV)。優勝の瞬間、4千人超のファンが紅白の風船を飛ばし、立ち上がったり抱き合ったりして、2年ぶりの喜びを分かちあった。
福岡市中央区の田中久美子さん(30)は、先発し16勝目を挙げた東浜巨(なお)投手のファン。今季の躍進に「うれしくて、うるっときた。ひたむきに練習し続けたから、実力を発揮できた。クライマックスシリーズ(CS)でも落ち着いてがんばってほしい」。
「V奪還」のパネルを掲げた福岡市博多区の福田美咲さん(22)と福岡県春日市の松岡沙樹さん(21)は「CSでもホークスらしく、笑いながら戦ってほしい」と話した。
福岡市西区の小学4年、小田海天(のあ)君(10)はユニホーム姿で父の範満さん(46)と観戦。将来の夢はプロ野球選手。「次は日本一に」と願った。
福岡・天神のスポーツバーでも約30人のファンが試合の中継を見守った。
四回、柳田(やなぎた)悠岐選手の逆転本塁打が飛び出すと、「これこそギータの真骨頂」と歓声が上がった。福岡市の会社員大薮裕二さん(51)は「打ってくれると信じていました」。
福岡県鞍手(くらて)町の介護職員、林謙介さん(32)は小学生の頃から鷹(たか)党。優勝の瞬間は涙を浮かべ、「去年の悔しさがあるからこそ、この優勝は感慨深い。一気に日本一をめざして」と話した。
朝日新聞西部本社は試合後、優勝を伝える号外計3400部を博多駅前とヤフオクドーム周辺で配った。号外を受け取った佐賀県鳥栖市のパート三浦訓子(くにこ)さん(44)は「去年はやきもきしたので、すかっとして最高です」と喜んだ。(安田桂子、柏樹利弘、浅野秋生)