小池百合子・東京都知事が支援する若狭勝衆院議員と民進党を離党した細野豪志元環境相が21日に国会内で会談し、28日の臨時国会召集前に新党を結成する方針を確認した。新党は10月の衆院選に全国で現職や元職の衆院議員、地方議員、民間人ら100人規模の擁立を目指す。
新党は、安倍晋三首相が冒頭で衆院を解散する臨時国会直前の26日か27日に結成会見を行う。小池氏は21日、新党の党首就任は否定したが、何らかの役職に就いて新党を後押しすることを検討している。
新党には、保守系の元民進や無所属の現職国会議員が5~10人程度加わる見込み。民進色を薄めたい若狭氏と、自らに近い民進離党組を入れたい細野氏が調整を続ける。新党関係者は21日、「結成メンバーは4人まで固まった」と語った。結成時にメンバーから外れた議員も、公認の際には合流するとみられる。
10月の衆院選については、東京や首都圏にとどまらず、大阪など全国での擁立を検討している。若狭氏は自身の政治塾の参加者や元国会議員らに立候補を呼びかけている。細野氏との21日の会談では、新党の綱領や規約などについても協議。党名には「ファースト」は使わず、簡明な党名にするという。
憲法改正論議には、前向きに応じる考えだ。若狭氏は衆参両院を統合する一院制を提唱。細野氏は4月に月刊誌で改憲案を示しており、新党の基本政策にはそうした方向性を盛り込む方針だ。ただ、首相が打ち出した9条への自衛隊明記案については「優先度は低い」(若狭氏)としている。(別宮潤一、石井潤一郎)