「母がしんどい」(田房永子作)から。受診した精神科医に「あなたは間違ってない」などと言ってもらえたことが、自立への転機となったという
母との関係に苦しみ、距離を置こうと一歩を踏み出した女性が記したひととき「『毒親(どくおや)』いまも葛藤」に、共感や励ましが多く寄せられました。罪悪感にも悩みながら、家族や自分の生き方と向き合う人たちの声を紹介します。(田中陽子)
広島県の女性(49)は《私の気持ちはおかしいものではないんだ、と気が楽になりました》とメールを寄せた。
威圧的な父、父に従う母に叱られてばかりで、いつも親の顔色をうかがっていた。ほしい服があっても、透けているから親が嫌がるなどと察し、言えなかった。
結婚後、実家に関わると吐き気に襲われるようになった。縁を切りたい。一方で、親不孝だろうか、世間や親戚は非難するだろうか、とも考える。「覚悟ができていないんだと思う」と話す女性は、メールの最後に《私は私の人生を生きたい》と記す。
罪悪感を振り払い、自分の道を進もうとする人もいる。奈良県の女性(59)は、《親不孝者で十分だ。世間が何と言おうと私は私を許そうと思う》と書いた。
子どものころ、母の気分を損ねると「恥をかかされた」「誰に食べさせてもらってる」と怒られた。実際に食事を抜かれたことも。《私はだめなやつなので、そんなものだと思っていた》。結婚して夫の両親と接し、自分の親のようでない親がいると知った。母と一緒にいるとどうしようもなく苦しくなった。それでも「母が老いたら自分がみなくては」と思っていた。
4年ほど前、母が入院。車で片…