記者会見で話す曽我ひとみさん=13日午後1時51分、新潟県佐渡市、角野貴之撮影
北朝鮮による拉致被害者5人が帰国してからまもなく15年。その一人、曽我ひとみさん(58)が13日、地元の新潟県佐渡市で記者会見に応じ、夫や2人の娘の暮らしや、母親のミヨシさんら帰国できないでいる拉致被害者への思いなどを語った。
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2002年9月17日の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認め、曽我さんは同年10月15日に帰国。夫と2人の娘はその2年後に帰国した。
「地元の近所の人たち、同級生、全国からの温かい励ましの中で生きてきた」。まず帰国後の生活を振り返り、同級生に向けて「くじけそうになった時『一人じゃないよ。一緒だよ。お母さんが帰ってくるまで頑張ろう』と励ましてくれた」と感謝を述べた。
これまで「家族を守る」との思いから、家族への言及は避けてきた。だが10年ぶりという会見の場で、順番に近況を報告した。
市内の観光施設で働く夫ジェンキンスさん(77)については「後期高齢者の仲間入りをし、今年から仕事を減らしている。それでも張り切って出かけていきます。『きょうはどんな人が来るのか』『きょうは外国人が来た』と話してくれる。一生懸命、仕事をして欲しい」。
夫妻と同居する長女は「市内で保育士として働いています。つらいとか大変とか愚痴も言いますが、次の日になると、『大丈夫、保育園には可愛い子供が待っている』と言って出かけていきます」と成長した姿を誇らしげに語った。帰国後に結婚した次女については、「嫁ぎ先で仲良く生活しています。私は母親として安心して見ています」と目を細めた。
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