「e―エボ」のフロントマスク。大きなスリーダイヤが目を引く(三菱自動車提供)
世界ラリー選手権(WRC)などモータースポーツで活躍し、峠道の走り屋たちにも人気だった「ランエボ」こと三菱ランサーエボリューション。三菱自動車は、SUV(スポーツ用多目的車)型の電気自動車(EV)試作車でこのビッグネームを復活させる。27日に開幕する東京モーターショーに、ハイテクを盛り込んだEV「e―エボリューション コンセプト」を出品すると発表。日産三菱・ルノー連合の中でEV注力を鮮明にする三菱自にとって、新時代の「エボ」モデルのお披露目となる。
旧「ランエボ」シリーズは、小型セダン「ランサー」のハイパワー四輪駆動仕様として1992年に登場。モータースポーツのベース車両としてプロ・アマ問わず支持されたが、経営資源の集中を理由に2016年に生産を終えた。かたや「e―エボ」は、売れ筋であるSUVスタイルの高性能EVという位置づけ。大容量バッテリーと高性能モーターによる高出力や、人工知能(AI)による車体制御や運転支援など、近い将来の実用化をめざすハイテクを盛り込んだ。これら先進技術のショーケースである「独自のEVの進化形」という意味で、かつて同社のブランドイメージを高めた「エボ」の名を冠したという。
同社はこのほか、新たな世界戦略車と位置づける小型SUV「エクリプス クロス」を出品。「e―エボ」同様、北米でかつて人気を博した2ドアクーペ「エクリプス」の名前を復活させた。欧州向けにはすでに出荷を開始しており、国内には今年度中の投入を予定している。(北林慎也)