下宿学生の投票方法は
住民票を故郷に残して下宿する学生は、投票を認められない場合がある。住民票があっても「居住実態がない」として選挙人名簿に載せない選挙管理委員会があるためだ。投票できるかできないかは地元の選管の対応次第。以前から疑問の声があったが、「18歳選挙権」が導入された昨年の参院選で注目された。実態が変わらないまま、今回の衆院選も投開票日を迎える。
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「なんで投票できる人とできない人がでてきちゃうんですかね」。水戸市に住む大学2年、杉内裕介さん(20)は言う。福島県二本松市出身。「地元の成人式に出たい」という思いもあって住民票を残したら、昨年の参院選で不在者投票できなかった。
市選管は参院選前に住民票のある17~19歳に居住実態があるか郵送で尋ね、「市外に出た」と答えた人を選挙人名簿に登録しなかった。杉内さんはその一人。返信しなかった人は名簿に載り、投票できた。
「『一票を大事に』っていうけど、正直者がバカを見るのは何なんだという気がします」と杉内さん。今回の衆院選でも投票できず、釈然としない思いだ。
公職選挙法では、居住実態のない住民は投票できないと定め、市区町村の選管は調査の権限がある。ただ、どこまで調査するかは選管の判断に委ねられている。特に都市部では、一人一人調査するのは難しい。
選管の判断は分かれる。北海道内では参院選で10町が新有権者計283人を名簿に登録しなかった。そのうちの一つ、足寄町選管は今回の衆院選でも町外で下宿する高校生を含め18、19歳の39人を選挙人名簿に載せなかった。担当者は「参院選後、調査をやめなくていいか道選管に尋ねたら、『問題ない』という答えだった」と話す。
一方、高知県香南(こうなん)…