自民党との政策的な距離
22日投開票の衆院選で、報道各社の情勢調査では自民党の優位が伝えられる中、自民と近い考えを持っている政党はどこか。朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室が全候補を対象に実施した調査結果をもとに、連立を組む公明党、安倍政権に「是々非々」路線の希望の党と日本維新の会が、主な政策でどの程度距離があるのか探った。
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■改憲
「できるだけ多くの党の賛成を得たい。小池さんも維新も、憲法改正には前向きなんだろうと思う」
首相は解散を表明した9月25日のNHK番組で、こう説明。是々非々路線を掲げる希望の小池百合子代表や維新の松井一郎代表と連携したい考えをにじませた。両党は、「自民・公明」「希望・維新」「立憲・共産・社民」という衆院選での3極構図のうちの1極だ。
選挙戦中盤までの勢いを保って衆院選に勝ち、自民で単独過半数を大きく上回った場合、調査結果からはどのような「改憲の枠組み」が見えてくるのか。
最大の焦点は、首相が意欲を示す9条改憲だ。首相は今年5月、9条1項、2項はそのまま残し、自衛隊を明記する案を提案。今回の衆院選でも焦点のひとつになっている。
首相の考えに対して、88%が「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えたのが維新。維新は衆院解散前の9月2日、9条のあり方を中心に議論する党の憲法改正本部会議を発足させた。馬場伸幸幹事長は「議論を避けて通れないのが9条の改正問題だ」と述べている。
これに対し、公明の73%が「どちらとも言えない」と回答。希望の41%も同じ答えで、9条改正では距離はそれほど近くない。
ただ項目を特定せず改憲そのものについて聞くと、首相や自民の「協力勢力」の可能性は大きく広がる。
改憲の賛否を尋ねる質問に対して「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えた賛成派は維新(98%)、希望(85%)、公明(64%)。改憲そのものでは維新に加えて希望、公明と協力できるが、首相が提案した自衛隊の明記案になると維新との近さが突出する――。そんな傾向が浮き彫りになった。
松井氏は17日、大阪府高槻市で記者団に「自民が出てきたら正面から議論したい」。小池氏は18日にさいたま市で街頭演説に立ち、こう語った。「議論を避けてはいけない。憲法についても考える『リアルな政治』をしていく」(関根慎一)
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