離島から投票箱が届かず、沖縄県南城市の開票所の中央公民館では開票作業の準備だけが行われた=22日午後8時24分、沖縄県南城市、吉田拓史撮影
台風21号の影響で離島の投票箱が船で回収できなくなるなどしたため、開票作業を23日以降に延期する選挙管理委員会が相次いだ。総務省は「荒天で開票開始が翌日になるのは異例」としている。
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公職選挙法は、開票所ごとに全投票箱を回収後、作業を始めると定めている。
松山市選管によると、瀬戸内海にある興居(ごご)島(愛媛1区、当日有権者数1151人)、忽那(くつな)諸島(同2区、同3703人)は投票終了時刻を22日午後4時に繰り上げたが、定期船が欠航。投票箱を回収できず、1区の全域と2区の一部の開票作業を23日午前に延期すると決めた。
沖縄県でも、うるま市(沖縄3区)、南城市(同4区)、座間味村(同1区)の計四つの離島から投票箱の一部を運べなかった。3市村とも23日午後1時から開票する予定。
愛媛県八幡浜市(愛媛4区)、愛知県西尾市(愛知12区)、山口県萩市(山口3区)、佐賀県唐津市(佐賀2区)、宮崎県延岡市(宮崎2区)でも離島の投票箱を回収できなかった。
兵庫県では篠山市(兵庫5区)の開票所が台風の影響で停電。投票用紙の計数機などが使えなくなり、開票作業を23日午前9時からに延期した。三重県伊勢市と鳥羽市(いずれも三重4区)でも開票所までの道路が冠水するなどしたため、23日午前に変更した。これらの地域を含む選挙区、比例区の開票結果の確定も23日以降になる。
投票開始の遅れや終了時刻の繰り上げもあった。高知県いの町では土砂崩れで開始が19分遅れた。兵庫県豊岡市は市内全域の投票を午後4時で打ち切り、和歌山県や徳島県などでも一部で投票終了時刻を早めた。
総務省によると、17日時点で投票日を繰り上げる投票所は全国の離島地域75カ所の予定だったが、台風の影響で増加。20日時点の把握分で109カ所に広がっていた。