安全で信頼できるということが、多くの親たちが赤ちゃんや子どもに食べさせるものを買うときに最も重視することだ。最近、日本の有名乳製品ブランドの雪印が、品質に問題があったとして乳児用液体ミルク約40万缶を回収すると決定し、日本の消費者を不安にさせている。赤ちゃん用ミルクの品質問題は日本の乳製品メーカーや乳製品業界にどのような影響を与えるだろうか。
雪印の東京にある本社ビルのてっぺんには巨大な雪の結晶のシンボルマークがあり、これは同社が雪が結晶になるときのように品質に専念し、信頼できる品質を作り上げてきたことを象徴するのだという。しかし今回明らかになった品質の問題により、日本の消費者の多くがこの100年近い歴史をもつ乳製品大手に失望した。
今回回収された製品は、雪印の子会社が生産した0-12ヶ月の乳児用液体ミルクで、消費期限が2021年9月16日以前のもの。回収の理由は、金属製の缶のフィルム片の一部が製品に混入している疑いがあり、乳幼児が飲んだ時に安全上の問題が起こる可能性があるためだ。
同社の責任者は、「現在、消費者から飲んだ後に健康被害が出たという報告は受けていない。しかし回収作業は引き続き進行中で、当社は消費者の皆様におわびするとともに返金処理をする」と話した。
雪印によると、中国のインターネット直営店では問題が起きたこの商品を取り扱っていないが、代理購入などのルートで中国市場に流れ込んだ可能性は否定できず、消費者には注意してほしいという。
雪印が品質問題を起こしたのはこれが初めてではない。2000年に日本の消費者約1万5千人が雪印の低脂肪乳を飲んだ後で嘔吐や下痢など食中毒の症状を訴えた。最終的に、雪印の工場で期限切れの牛乳を原料に混ぜて再利用し、生産された乳製品の多くで細菌が異常繁殖していたことが原因であるとわかった。これは日本の過去約半世紀で最も深刻な集団食中毒事件となり、雪印グループのブランドイメージは大きく傷ついた。
今回回収された乳児用液体ミルクは乳児用ミルクの中でも比較的新しい製品だ。乳児用のミルクは粉ミルクが最も普及しているが、日本の法律で液体ミルクが解禁されると、調乳の必要がなく、蓋を開ければすぐに飲める乳児用液体ミルクが日本市場で販売できるようになった。
雪印を含む日本の乳製品大手が昨年から、各社初の乳児用液体ミルク製品を次々に発売してきた。今回、雪印が再び品質問題を起こしたことで、徐々に回復していた雪印製品への消費者の信頼感がゆらぎ、雪印ブランドの信用が再び危機に陥る可能性がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年10月19日