福井県池田町立池田中学校で男子生徒が自殺した問題で、調査委員会がまとめた全57ページの調査報告書の写し
福井県池田町で中学2年生の男子生徒が自殺した問題で、学校での指導がもとで同じように我が子を亡くした遺族も悲痛な思いを抱いている。繰り返される「指導死」。再発防止が課題だ。
担任ら繰り返し叱責 3月に福井で中2が自殺
■「他人事だったのか」
「大人が押しつけるような教育は改めないといけないのに、現場は変わっていない」。大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将だった男子生徒(当時17)を自殺で亡くした父親(48)は、池田町で起きた中学生の自殺に胸を痛める。
生徒は顧問から平手打ちや暴言を繰り返し受け、2012年12月に自殺した。顧問は懲戒免職となり、傷害と暴行罪で有罪に。遺族は市を相手に損害賠償を求める裁判を起こし、昨年2月に元顧問の暴行を自殺の原因と認める判決が出た。こうした動きが大きく報道されてきた一方で、池田町の中学生は昨年10月ごろから担任や副担任から厳しい指導や叱責(しっせき)を受け、今年3月に自殺した。
桜宮高校の生徒の父親は、5年近く前の出来事が「風化している。他の地域の教員には他人事だったのか」と感じる。池田町の事案については、「当事者しかわからない面がある」と断った上で、「なぜ管理職ら周りが異常に気づき対応しなかったのか」と話す。
大阪市教育委員会は再発防止に…