トヨタ自動車は25日、東京モーターショーの報道公開で、3代目となる新型センチュリーを初披露した。1997年以来の全面改良で、ハイブリッド車(HV)へと生まれ変わった。
トヨタ・センチュリーついにHV化 20年ぶり新型発表
早すぎた幻のHV ガスタービン搭載センチュリー(1975年)
特集:東京モーターショー2017
センチュリーは、皇室や政治家、財界トップ御用達として知られるトヨタブランドの最高級車。VIPが乗る後部座席は、より快適に改善された。
実際に乗ってみると、足を楽に投げ出すことができる広さに驚く。前輪と後輪のあいだの「ホイールベース」は2代目より65ミリ広がった。100%ウールの素材を採用した座席は、柔らかく心地よい。
運転席と助手席の背もたれの間には、モニターやブルーレイディスクプレーヤーが取り付けられている。さらに、後部座席中央のアームレストにはタッチパネルが埋め込まれ、オーディオの音量や空調を集中操作できるほか、頭や背中へのマッサージ機能も。長時間の乗車でも、体への負担を和らげる配慮が徹底されている。
座席から降りようとして驚いたのが、窓ガラスにレースのカーテンがかかった状態では、ほとんど外の景色が見えないことだ。本能的にドアを開けるのをためらってしまう。「そうか、外から開けてもらうのが前提なのか」と合点がいった。
最新の衝突回避支援システム装備などで、安全性能も大きく向上している。高級感のあるフロントグリルにはめこまれた鳳凰(ほうおう)の彫金。実はこれも衝突回避に使うミリ波レーダーのセンサーを覆うカバーだ。ハイブリッド化や専用チューニングのサスペンションで静粛性も追求。高級感のある車体に、要人を守る機能が詰め込まれている。(信原一貴)