練習で選手に指示するJ2長崎の高木監督(右端)
サッカーJ2で2位につけている長崎の初のJ1昇格が11日にも決まる。地元長崎県出身で元日本代表FWの高木琢也監督(49)は「僕が選手時代、Jリーグのチームが(長崎に)あること自体考えられなかったこと。自分が生まれ育ったところだし、思い入れはある」と強い気持ちをのぞかせる。11日は午後7時から本拠トランスコスモススタジアム長崎(諫早市)で19位讃岐と対戦する。
高木監督は全国屈指の強豪、長崎・国見高で育ち、日本代表では「アジアの大砲」の愛称で親しまれた長身FW。横浜FCや熊本で監督を務めてきたが、長崎がJ2に参入した2013年からチームを率いている。13年、15年と6位となってJ1昇格プレーオフに進んだが、敗退。今季は攻守ともに組織的なチームをつくり、初のJ1自動昇格まで、あと一歩のところに迫っている。
故郷のクラブの運命を託され重圧はかかるが、かつての実績が自らを落ち着かせる。横浜FCで06年に開幕戦直後、監督が解任され、自身がコーチから昇格。チームを立て直し、優勝とJ1昇格に導いた。高木監督は「思いは強く、いつ重圧がかかってくるかなと思っていたが、横浜のときの経験が生きていて、不思議とあまりない。わりとリラックスしている」と笑顔を見せる。
J2は2位以内がJ1へ自動昇格し、3~6位はJ1昇格プレーオフへ。残り2試合で、長崎は2連勝すれば自力で2位になる。11日に長崎の2位が確定するには、長崎が勝ち、3位名古屋と4位福岡がともに引き分けるか敗れることが条件だ。高木監督は「とにかく自分たちが結果を出していけばいいとしか思っていない」。05年に誕生した地元クラブに思いをはせながら、目の前の試合に集中する。(堤之剛)