希望の党の代表を辞任した小池百合子・東京都知事=14日午後、東京都千代田区、小玉重隆撮影
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は14日、両院議員総会で「代表の座を降り、しかるべき形で、皆さんをサポートしたい」と述べ、党代表を辞任した。新代表には玉木雄一郎・共同代表が就いた。小池氏は新執行部の発足を受けて都政に専念する考えだ。
総会で、小池氏は「国政については、やはり国政の皆さんにお任せしたい」と語り、代表辞任の考えを示した。そのうえで「玉木共同代表にこの後を任せたい」と提案し、承認された。総会後、記者団に対して「玉木執行部の船出を見届け、創業者としての責任を一つ終えた」「私は都知事として都政を」と述べた。
総会では、共同代表選で玉木氏陣営の選挙対策本部長を務めた古川元久・元国家戦略相を幹事長に、結党メンバーの長島昭久・元防衛副大臣を政策調査会長に起用する人事案も承認され、細野豪志・元環境相の憲法調査会長への就任も決まった。9条を含む改憲論議を進め、安全保障関連法を容認する「小池路線」を継続する新執行部の姿勢が鮮明になった。
小池氏は衆院解散が迫る9月27日に「日本をリセットする」と述べ、希望の結党を発表。民進党が前原誠司代表(当時)の主導で希望への合流方針を決めるなか、憲法改正や安保法制への賛同を得られない候補を「排除する」と表現したことが反発を招いたり、政策協定書を結ばせたことが「踏み絵」と揶揄(やゆ)されたりして、失速。衆院選で議席を57から50に減らし、「完敗」と総括した。
衆院選後も、党内では憲法や安保関連法をめぐる路線対立が尾を引き、今月10日の共同代表選でも争点になった。小池路線を踏襲した玉木氏に対し、9条改正不要論を唱え、安保法を認めない大串博志氏は党内の予想を超える票を集めたが、今回、役職には就かなかった。