緑色の車から支持を訴えた佐々木里加氏。運動員を確保できず、自らマイクを握る日もあった=10月14日、東京都国分寺市
衆院選で50議席にとどまった希望の党(代表・小池百合子東京都知事)。小選挙区で新顔98人を擁立したが、当選は1人。比例での「復活当選」も8人だった。選挙経験がないうえ、十分な党の支援がなかった新顔もおり、掲げた「政権選択選挙」にほど遠い戦いぶりだった。落選者の不満は強く、党は近く話を聞く場を設ける予定だ。
「大変な決意で戦ったみなさんに感謝する。応えられる態勢を築けず、おわびしたい」
全国で185人の落選者を出した選挙結果について、10月下旬、小池氏は記者団に語った。希望の新顔は、民進党などからの移籍組と、小池氏らが開いた政治塾の受講者らが中心。7月の都議選で、小池氏は政治塾の受講者を地域政党・都民ファーストの会の候補者として多数擁立し、圧勝したが、衆院選でその手法は通じなかった。
「突然の選挙でどうしたらいいのかわからず、選挙期間中は『体力と声がもつだろうか』ということしか考えられなかった」。若狭勝前衆院議員が9月16日に開いた初回の輝照塾を受講した後、1週間ほどで東京19区での出馬が内定した美術短大非常勤講師、佐々木里加氏(50)は言う。
立候補は地方選も含め初体験。内定後は睡眠時間を削ってポスターやチラシのデザインを作成。内定者は10月1日に集められ、小池氏と並んだポスター用写真を撮った。佐々木氏は現金で3万円を支払うことを知らず、慌ててATMに駆け込んだ。
東京19区(西東京市など)に地縁がない佐々木氏は、都民ファースト都議の事務所の一角に電話を引いて選挙事務所に。事務所を設けることなど基本情報は自分でインターネットで調べた。
初めての街頭演説では、「原発…