希望の党、候補者と当選者に「ズレ」
希望の党の当選者の約7割が安全保障法制を評価しておらず、候補者の約4割から大幅アップ――。朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室が実施した衆院選の全候補者を対象にした共同調査(回答率97%)で、こんな傾向が判明した。安保法制に反対した民進党からの合流組が多く当選したためで、今後は希望の「民進回帰」が進む可能性もある。
特集:2017衆院選
希望は、小池百合子代表(東京都知事)が安保法制を評価する立場だ。公認に際して候補者には「憲法に則(のっと)り適切に運用する」と記した政策協定書に署名するよう要求。安保法成立に反対した民進合流組にとってみれば、「踏み絵」を踏まされた格好になった。
調査では、第3次安倍内閣(2014年以降)の施策に対する評価を聞いた。安保法成立については、希望の候補者全体では「評価する」「どちらかと言えば評価する」と答えた人は40%、「評価しない」「どちらかと言えば評価しない」とした人は41%だった。ところが、当選者に限ると評価寄りは13%で、評価しない姿勢を示したのは68%となった。
当選者の多くを民進組が占め、それ以外の候補者の当選率が低かったことが数字に影響したとみられる。希望が擁立した235人のうち、民進組は約半数の116人。当選者は50人で、うち民進組は39人で約8割を占める。当選者の安保法への否定的な姿勢を押し上げた構図だ。
一方、希望が公約に掲げた「消…