神戸市垂水区で昨年、市立中学3年の女子生徒(当時14)が自殺した問題で、遺族は20日、市教育委員会が設置した第三者委員会に対し、追加調査を求める申入書を提出した。遺族側によると、公表されていない第三者委の調査結果は、いじめがあったことを認定したものの、自殺の原因は特定していないといい、遺族側は「調査が不十分」と訴えている。
女子生徒は昨年10月6日に垂水区内の川で倒れているのが見つかった。首をつって自殺したとみられる。市教委はいじめ防止対策推進法に基づく重大事態と判断し、弁護士らでつくる第三者委がいじめの有無などを調べていた。
遺族側によると、第三者委は今年8月、遺族に公表前の調査報告書案を提示。「顔面凶器」と容姿を中傷された▽「服装が変」と誹謗(ひぼう)された▽足を引っかけられる身体的攻撃を受けた――など、複数の生徒によるいじめを認定したが「直接的な自殺原因は特定できない」と結論づけたという。
このため、遺族側は「いつ、誰にいじめを受け、背景に何があったのかなどが明確になっていない」と主張し、追加調査を求めている。女子生徒の母親(42)は記者会見し、「調査結果は表面的で全く納得していない。娘に報告することもできない。事情を知っている生徒から詳しく話を聴いてほしい」と話した。
一方、市教委の担当者は「申入書の内容を確認し、対応させていただきたい」としている。(岩田恵実、島脇健史)