PISA「協同問題解決能力調査」の問題例
チームの一員として、他人と協力して問題を解決する15歳の力を測ろうと、経済協力開発機構(OECD)がテストを開発し、初めて実施した。21日に公開された結果によると、参加した世界52カ国・地域の中で日本の平均点は2位で、OECD加盟の32カ国ではトップだった。
結果を分析した国立教育政策研究所は「日本の学校が(子ども同士の)協力による活動を続けてきたことが得点に影響しているのでは」とみている。ただ、調査は決められたシナリオに沿って選択肢から選ぶ内容で、現実社会で直面するような問題解決の場面を必ずしも捉えていない、などの限界も踏まえる必要があるとしている。OECDのグリア事務総長は「社会的技能を重視する傾向が世界的に強まる中、教育制度はこうした技能の育成に努める必要がある」とコメントした。
「協同問題解決能力調査」はOECDが3年ごとに行っている学習到達度調査(PISA)の一環として2015年に実施され、日本では高校1年など約6600人が受けた。「チームメンバーの視点と能力を見いだす」「参加のルールに従う」などの力を測るのが狙いで、チーム内の人間関係や参加国の文化的差異がなるべく影響しないよう、コンピューターを活用した。仮想の人物と協力して課題に取り組む設定で、生徒は画面に示された選択肢から応答の文章を選び、作業を進める内容だった。
調査の結果、日本の平均点は5…