民進党は24日、立憲民主党、希望の党と幹事長会談をそれぞれ開き、国会活動での連携を呼びかけた。「ポリティカル・イノベーション(政治的革新)」と名づけ、衆院選で分裂した3党のあり方を模索する考えだ。しかし、立憲は独自路線に軸足をおいており、先行きは不透明だ。
「衆院選で分かれてしまったが、元々は同じ仲間。友党として協力できるものは協力していきたい」
民進の増子輝彦幹事長は立憲の福山哲郎幹事長との初会談後、記者団に語った。「3党連携が安倍政権の暴走にストップをかけることになる。国民に対する我々の責任だ」とも述べた。
立憲は、希望を立ち上げた前代表の小池百合子・東京都知事の安全保障法制容認を求める「排除の論理」に反発して誕生。枝野幸男代表が合従連衡を強く否定。野党連携については、共産党や自由党、社民党を含めた「野党6党の枠でやりたい」と言い、民進、希望に限った連携を牽制(けんせい)する。
一方、希望の玉木雄一郎代表も、「まずは自分たちの基盤を固める」と話している。憲法改正への姿勢でも立憲、希望の立場は違い、3党は容易に連携できる関係にない。会談は3党が一堂に会する形ではなく、増子氏が福山氏と会った後、希望の古川元久幹事長とも会った。
民進が3党連携に力を入れるのは、再来年に統一地方選や参院選を控えるなか、立憲と希望の間で埋没する懸念が強いからだ。民進幹部は「地元で『民進党ってあるんですか?』と聞かれる」と嘆く。
支援団体の連合も、3党分裂のままでは傘下組織がまたさき状態になりかねないため、民進の方針を支持している。民進の大塚耕平代表は「今までの常識にとらわれない柔らかい頭でアイデアを考えなくてはいけない。『ポリティカル・イノベーション』を追求していきたい」と話す。