全国知事会は24日、地方自治や参院の選挙区に関する憲法改正草案を公表した。会長の山田啓二京都府知事は同日の全国都道府県知事会議で、安倍晋三首相に「立法府での議論の呼びかけをお願いしたい」と訴えた。
安倍首相は「地方自治の現場で、あるべき姿を考え抜いてこられた皆さん方のご意見、提案は重要だ。積極的な発言を期待している」と答えた。
草案は、知事らに憲法学者が加わったワーキングチームがまとめた。地方自治体の組織や運営を定めた92条を「住民は(中略)自らの意思により地方自治に参画する権利を有する」とするなど、地方自治の規定を拡充。参院選で二つの県を一つの選挙区にする「合区」を解消するため、選挙区を都道府県単位にするよう47条の改正も求めた。
座長を務めた飯泉嘉門・徳島県知事は「全国の知事の最小公倍数はこういうものだとして、国民の理解を得ていく世論喚起をしていきたい」としている。(山下剛)
全国知事会の憲法改正草案のポイント
(合区問題)
・参院議員の選挙で選挙区を設置する場合は、広域的な地方公共団体ごとの区域を単位とする選挙区を含まなければならない
(地方自治のあるべき姿)
・地方公共団体の住民は、自らの意思により地方自治に参画する権利を有する
・地方公共団体は、住民に身近な公共的事務について処理する固有の権能を有する
・国は国家の存立に関する役割を担い、国と地方公共団体との間で適切な役割分担を派ならなければならない
(課税自主権)
・地方公共団体は固有の財源として、条例に基づき税を課し、徴収することができる