後半、ボールを奪い合う名古屋のシモビッチ⑨と福岡の駒野③=吉本美奈子撮影
(3日、名古屋0―0福岡)
名古屋のMF田口はグラウンドにうずくまった。その上に次々と選手たちがかぶさる。J1復帰が決まった歓喜の瞬間。約1年前、主将として悔し涙を流した田口が、目を潤ませた。
0―0の引き分け。J2最多得点だった名古屋らしくないスコアだ。前半13分、CKから田口が頭で押し込みネットを揺らしたが、ファウルでノーゴール。一方、守備ではその6分後、GK武田が強烈なミドルシュートをはじき、バーに当たった後の折り返しのシュートも好セーブで抑えた。
後半の名古屋はシュート2本。最後の福岡の攻撃もしのぎ、田口は「向こうも勝たなきゃいけない状況で圧力をかけてきたがしっかり守れた。0―0という結果だけど、それ以上に価値のあるもの」と守り切った試合を振り返った。
前線への長いパスを多用し、福岡の井原監督に「スタイルを変え、割り切ってやってきた」と言わせたが、「敵を動かすのがすべて。そこは変わっていない」と風間監督。攻撃的なパスサッカーを目指したリーグ戦では取りこぼしもあって3位。プレーオフはしたたかに戦い抜いた。
個人の技術向上が風間監督のサッカーの基本にある。昨季まで率いた川崎がJ1初優勝し「うまいと強いことを証明してくれた」。名古屋でも「敵のサポーターも見たいと思うチームを」とJ1に再び乗り込む。(松本行弘)
名古屋の戦績
節 日にち スコア 対戦 順位
1 2月26日 ○2―0岡 山 H ②
2 3月4日 △1―1岐 阜 H ③
3 3月11日 ●0―2千 葉 A ⑫
4 3月18日 ○2―1水 戸 H ⑧
5 3月26日 ○2―1松 本 A ⑤
6 4月1日 ○5―1熊 本 H ②
7 4月8日 ○2―1讃 岐 H ①
8 4月15日 △2―2徳 島 A ①
9 4月22日 ●0―2山 口 H ③
10 4月29日 ○4―1群 馬 A ②
11 5月3日 △1―1京 都 H ③
12 5月7日 △0―0山 形 A ③
13 5月13日 ●1―4大 分 A ⑥
14 5月17日 ○2―1町 田 H ⑤
15 5月21日 ○2―1愛 媛 A ④
16 5月27日 ○2―1横浜FC A ①
17 6月3日 ●2―3金 沢 H ③
18 6月10日 ●1―2東京ヴ A ④
19 6月17日 ●1―3福 岡 A ⑧
20 6月25日 ○2―0長 崎 H ⑤
21 7月1日 ●1―2湘 南 A ⑥
22 7月8日 ●0―2徳 島 H ⑦
23 7月16日 ○1―0山 形 H ⑤
24 7月22日 ●1―3京 都 A ⑥
25 7月30日 ○1―0熊 本 A ⑥
26 8月6日 ○7―4愛 媛 H ⑤
27 8月12日 ○5―2松 本 H ③
28 8月16日 ○4―3町 田 A ③
29 8月20日 ○3―1福 岡 H ③
30 8月26日 ●2―3横浜FC H ③
31 9月2日 △1―1水 戸 A ③
32 9月9日 ●0―1大 分 H ④
33 9月17日 ●1―3金 沢 A ⑥
34 9月24日 ○4―1東京ヴ H ⑤
35 10月1日 ○6―2岐 阜 A ④
36 10月7日 ○3―1山 口 A ④
37 10月15日 ○3―2湘 南 H ④
38 10月21日 △1―1長 崎 A ④
39 10月29日 ○4―2群 馬 H ③
40 11月5日 ○1―0岡 山 A ③
41 11月11日 ●0―3千 葉 H ④
42 11月19日 ○2―0讃 岐 A ③
(○は勝利、△引き分け、●敗戦、Hはホーム、Aアウェー、円内数字は節終了時の順位)