高梨沙羅の2回目のジャンプ=林敏行撮影
(3日、スキージャンプ・W杯女子個人第3戦)
ジャンプW杯史上初となる通算54勝目は、昨季最終戦から4戦続けてお預けとなった。今季初めて表彰台に上がったものの、高梨沙羅にとって満足できる結果ではなかった。
ノーマルヒル(HS98メートル)から、ラージヒル(HS140メートル)に変わった第3戦。1回目は有利な向かい風を受けて137メートルを飛び、思わず笑みが出た。「タイミングは遅れていた」というが、復調の兆しは見えた。
だが、高梨と同じ21歳で優勝したアルトハウスはそれ以上だった。不利な追い風で138・5メートルを飛び、スタート位置が高梨より下がった2回目に最長不倒の139・5メートルを飛んだ。得点差は32・4点。飛距離に換算すると、2回合計で18メートルの差があった。
2日の第2戦も同様。アルトハウスとルンビ(ノルウェー)はHS越えとなる98・5メートルの大ジャンプを見せた一方で、高梨は94・5メートルが最高だった。
今季の目標は、あくまで平昌(ピョンチャン)五輪の金メダル。「(開幕3連戦で)いい流れを作っていけるようにしたい気持ちはあったけど、(54勝という)数字そのものは気にしていなかった」。それでも、ライバル2人を破って新記録を達成しなければ、五輪の頂点も見えてこない。「壁は大きいが、乗り越えないといけない」。次戦の第4戦は、17日にドイツ・ヒンターツァルテンである。(勝見壮史)