2004年発売の5代目ハイエースコミューター(トヨタ自動車提供)
トヨタ自動車は、今秋に50周年を迎えたワンボックス車「ハイエース」を一部改良し、12月1日に売り出した。盗難を防ぐアラーム装置や自動ブレーキシステムを標準装備する。
初代の発売は高度成長期の1967年。雨やほこりで汚れない荷室のある車が求められていた。トラックとの違いを強調しようと、乗用車コロナに似たデザインを採用した。発売の半年後にはスライドドアをトヨタ車で初めてつけた。
荷室の広いバン、乗用車のように使えるワゴン、客席を増やしたコミューターの3種類を展開。後のミニバンのように、レジャー向けにも使われた。
丈夫さや修理のしやすさはアジアやアフリカの新興国でも人気を呼び、国内外の販売累計は633万台。チーフエンジニアの野村淳氏は「海外では信じられないくらいの人数を1台に乗せることもある。国によっては『トヨタ』より『ハイエース』の方がブランド価値が高い」と話す。
いまの車両は2004年発売の5代目で、これを一部手直しした。
最もたくさん売れるとみているモデルは消費税込み298万4040円。新型の2・8リットルエンジンを載せた2駆のディーゼル車だ。3リットルエンジンを載せた一部改良前のモデルより燃費は14%改善する。価格は20万円ほど高い。
トヨペット店で扱い、ネッツ店では、ほぼ同じ型の「レジアスエース」を販売する。(山本知弘)