準々決勝で敗れたあと、苦笑いを浮かべる桃田=東京・駒沢体育館
点を決めても声をあげない。ガッツポーズも見せない。違法賭博問題から復帰し、2年ぶりに全日本総合選手権の舞台に戻ってきた桃田賢斗(NTT東日本)は、どこか「よそ行き」に見えた。
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11月29日の1回戦。桃田は明らかに縮こまっていた。ようやく自分を取り戻したのは、第2ゲームで4―8とリードされてからだ。2回戦では、派手なガッツポーズも見せるようになった。だが、12月1日の準々決勝はストレート負け。リードを奪われるとミスを恐れて消極的になり、自らのペースを失った。
桃田はこの1年を振り返り、「守りに入ってしまった。気持ちの面でも、決めたときのガッツポーズや声出しも少し遠慮してしまう部分もあった」と、敗戦後に明かした。
「以前とは別人のよう」
「支えてくださったみなさまに恩返しをしたい」。桃田は大会中、記者会見のたびにこの言葉を繰り返した。謹慎期間中は所属するNTT東日本で会議の資料作りなどの裏方の仕事も経験。明るく染めていた髪は今は黒く、ネックレスなどのアクセサリーも外し、コートを出てからは必ず観客席におじぎをした。協会関係者は「以前とは、本当に別人のよう」とその変化に驚く。
大会終了後、日本バドミントン…