「いつもどんなことが原因で夫婦喧嘩になりますか?」と「どんなことをすると、喧嘩がさらにひどくなりますか?」というこの2つの質問が、蘭州市婦女聯合会婦女権利保護サービスセンターの専属弁護士・傅智勇さんが、ここで働き始めてから毎日一番多く聞くようになった質問だという。中国新聞網が報じた。
この仕事に就いて今年で5年目を迎えた傅さんのこの5年間の毎日の仕事はといえば、夫婦間のさまざまなトラブルなど、家庭の問題を扱うことで、1000回以上の仲裁を経験して、次第に自分なりの業務スタイルを確立してきただけでなく、助けを求めて来る人の信頼を得られるようになってきたという。
3月上旬、ホットラインの電話に出る傅智勇さん(撮影・高瑩)。
傅さんにとって一番印象深かったのは、甘粛省隴南市のある精神障害を抱える女性が、元夫に子供の養育費支払いを求めた案件だったという。状況を一つ一つ理解し、確認するため、傅さんは隴南市に10回以上足を運び、子供の父親と何度となく話し合いを試みたものの拒否され、関連機関や裁判所と相談して、最終的に父親はようやく未払いの養育費の支払いと、子供が18歳になるまでの養育費支払いに同意したという。「約2年もの間、何度も門前払いを食らった。その時はほんとうに辛かった。でも、支払ってもらえる希望がある限り、僕は決してあきらめない」と傅さん。
そして、「僕は男性の立場から考えて、女性たちに提案をする。夫婦間のトラブルを解決する際、男性のほうが理性的。女性が、感情的にならずに、論理的に思考し、問題を分析できるようサポートできれば、より的確に問題を解決できる」と話す。
3月上旬、家庭内のトラブルを涙ながらに語る女性(撮影・高瑩)。
退勤した後もホットラインにかかって来る電話を1件でも取り逃ししないように、傅さんはかかってくる電話を携帯電話に転送するよう設定しており、365日24時間無休で対応している。夜中に電話がかかってきても、傅さんは、真剣に、ゆっくりと相手の話に耳を傾ける。
仕事が自身の生活に与える影響について、傅さんは、「多くの夫婦がトラブルを抱えているのを見て、女性の思考パターンや考え方を理解できるようになった。そのため、家族を怒らせるようなことは避けられるようになり、家庭はとても平和」と話す。
3月上旬、男女間の仲裁をする傅智勇さん(撮影・高瑩)。
そして、「これまで扱った案件をみると、DV(ドメスティックバイオレンス)が約20%。DV被害に遭っている女性のほとんどが経済的に独立しておらず、その生活は男性に依存している。一方、自立している女性は、家庭内における地位もやや高いので、そのほとんどがちょっとした問題の相談で、解決しやすい」という。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年3月8日