東京都は20日、築地市場(中央区)の業界団体と、同市場を移す豊洲市場(江東区)を2018年10月11日に開場することで合意した。市場移転は小池百合子知事の判断で延期され、当初の計画から約2年遅れとなる。
都と業界団体が新市場建設協議会を開き、移転作業の日程確保などの条件を満たす日付として決めた。豊洲市場内の商業施設の開業が不透明な点などを理由に反発していた地元の山崎孝明区長も20日、「了承せざるを得ない」と述べた。理由について、移転後の築地市場跡地で計画されている2020年五輪の駐車場建設などを念頭に「(工事が延びれば)五輪がとんでもないことになる恐れもある」と語った。
今後、追加の土壌汚染対策工事を来年7月末までに終え、安全確認や国の認可を経て開場する予定。
豊洲市場は元々、昨年11月7日開場の予定だったが、同8月に都知事に就いた小池氏が安全性などを問題視し、移転を延期。その後、土壌汚染対策の盛り土がなかったり、地下水から環境基準値の100倍超の有害物質が検出されたりしたため、有識者会議による追加対策の提言を受けて、今年6月に移転を決めていた。(伊藤あずさ、有吉由香)