2~4階の屋根を黒く塗った復元案=竹中工務店の資料から
木造新天守の屋根は黒色か、赤銅色か――。名古屋市が進める名古屋城天守木造化の有識者会議が20日に開かれ、新天守の屋根の色について議論した。施工する竹中工務店は、史実に沿って黒く塗る案や、銅瓦を塗装しないままにする案を示した。市はさらに議論を重ねるという。
特集:名古屋城
市は2022年末の完成を目指す木造新天守を、1750年代に施された「宝暦の大修理」後の姿に復元する方針。竹中工務店によると、大修理の際、天守2~4階の屋根が土瓦から銅瓦ぶきに変わり、黒く塗装された。その後、塗装ははがれ落ち、酸化によって徐々に変色。現天守のような緑青色に変わったという。
竹中工務店はこの日の有識者会議・天守閣部会で、大修理のように2~4階を黒く塗る案や、最上階の5階まで黒く塗る案、全く塗らない案などを示した。屋根は銅瓦ぶきで、塗装しない部分は当面赤銅色になる。このため、有識者からは「市民感覚では、新品の銅の色は違和感がある」「緑青色は市民に分かりやすい」との声があがり、黒色のほか、緑青色に塗装する意見も出た。(諸星晃一)