フィギュアスケートの全日本選手権から一夜明けた25日、上位選手たちによるエキシビションが東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで始まった。
特集:SPIN THE DREAM 羽生結弦の軌跡
フィギュア特集 Kiss and Cry
女子で全日本4連覇を果たした宮原知子(関大)は情熱的な「アランフェス協奏曲」で観客を魅了した。オープニングでは本田真凜(大阪・関大高)の妹で俳優の望結からインタビューを受け、「(五輪に向けて)プログラムの完成度を上げていきたい」と語った。
女子で全日本2位の坂本花織(シスメックス)は、今季ショートプログラム(SP)で当初使う予定だった「死の舞踏」を披露。24日の代表発表後は「すでに緊張している」と話した坂本だが、この日はリラックスした表情を見せた。
全日本4位の樋口新葉(東京・日本橋女学館高)は、「ハレルヤ」の音楽にのり、しっとりと舞った。
男子で2連覇した宇野昌磨(トヨタ自動車)は、「昨日の演技で悔しい気持ちもあるが、エキシビションを楽しみたい」と話し、「シー・ユー・アゲイン」の曲を情感を込めて滑った。
バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔さんも会場に登場した。全日本2位の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)は、高橋さんに「どうしたら、あふれるエロスが出るのか」と質問。高橋さんは「エロスを妄想して想像力を働かせたら出ると思います」とアドバイス。直後、田中は「Just Like Fire」を色気を漂わせながら舞うと、観客席から黄色い声援が飛んだ。
全日本3位の無良崇人(洋菓子のヒロタ)は、思い入れのあるプログラムという、映画「美女と野獣」より「ひそかな夢」を披露。代名詞である高さのあるトリプルアクセル(3回転半)を決めた。演技後は観客から大きな拍手が送られた。
ジュニア選手9人が五輪代表の今季のプログラムを滑るサプライズがあった。全日本ジュニア選手権2位で世界ジュニア代表の三宅星南(せな)(岡山理大付高)が羽生結弦(ANA)のフリープログラム「SEIMEI」を滑ると、会場が沸いた。