今年の「9・26暴走」時の千早交差点。歩道いっぱいにやじ馬が集まっていた=名古屋市中区
爆音を鳴らし、危険な走行をする暴走族。昨年の愛知県内最大の集団暴走日「9・26」を契機に、中署が1年以上続けてきた捜査が終結した。検挙人数は延べ75人で、近年の暴走事件では最多という。一方、暴走族の数は減り続け、昔とは形態も様変わりしている。
ブブン、ブンブン――。今年の9月26日。午後10時を過ぎたころ、名古屋市中区の千早交差点にエンジン音が響き始めた。約70人の警察官が警戒にあたり、パトカーの赤色灯が照らす。周囲の歩道には、暴走を見ようと200人を超えるやじ馬が集まった。
暴走バイクは、信号を無視して交差点内を旋回し、発煙筒をたいたり、パトカーに卵を投げつけたり――。警察の制止を振り切り、挑発するかのように走り抜けていく。やじ馬たちは爆音がする度に音がする方向へと一斉に流れた。
県内最大と言われる「9・26暴走」は、少なくとも10年以上前から続く。暴走で死んだ仲間を追悼する「命日暴走」とも言われるが、由来は定かでない。見物していた津島市の元暴走族の男性(43)は「昔を思い出して血がたぎる」と興奮気味だった。
ただ、今年の「9・26」は10台程度で昨年の3分の1。尾張旭市から来た男性(20)は「今年はチームで走っていないみたい。全然ですね」と、日付が変わったころに帰っていった。
中署によると、昨年の「9・26」は30台が暴走し、38人を検挙した。捜査の過程で、彼らやその仲間が「9・26」以外にも、東、千種、南区で5回にわたり暴走していた事実が判明。一連の集団暴走事件として、最終的に、15~27歳の計75人を道路交通法違反容疑(共同危険行為等の禁止)などで検挙した。
捜査幹部は「名古屋市と尾張地…