タイヤがはがれ落ちて前方が大きく破損した容疑者の乗っていた車=松山東署
松山市の中心部で13日午後、物損事故を起こして逃げた男の乗用車が1時間近く逃走し、追跡するパトカーとのカーチェイスが起きた。車は路面電車が走る大通りやアーケード街を暴走。信号無視や逆走、事故などを1時間近くにわたって繰り返し、付近は一時騒然となった。
市街地でカーチェイス、50分後に逮捕 松山
車は松山城を取り囲むように走る国道11号や国道196号などを逃走し、許可無く車が入れない大街道商店街にも侵入した。車に遭遇した女性(76)は「振り返ったら車が勢いよく来て怖かった。自転車も置いてあったが、うまくよけていた。(カーチェイスが)まさかここであると思わなかった」と驚いていた。
県警本部近くの交差点では自転車の60代女性と接触し、けがを負わせた。目撃した男性(41)は「ぶつかった瞬間は車のスピードが落ちたが、車に乗り上げた女性が落ちると、よけるように再びスピードを上げて逃走した」。車側の信号は赤で、「男は前一点だけを見ていて、ぶつかる瞬間まで気付いていなかったという感じだ」と話した。
原付きバイクに乗りながら逃走車を見たという大学生(19)は、「道路を逆走し、白バイとパトカーに追われていた。信号無視もしていた。時速80キロ以上は出ていたと思う。怖かった」と語った。松山市役所前で逃走車両を目撃した女性(70)は「南堀端駅から市役所前のカーブで逆車線に入っていった」と話した。
逃走していた今治市の会社員在間亮平容疑者(41)は午後2時40分ごろ、大手町1丁目の県道で捜査員に確保され、道路交通法違反容疑で現行犯逮捕された。現場にいた男性(78)は「自らドアを開けて運転席から出てきたところを、すぐに数人の警察官が取り押さえた。あっという間に捕まった」と振り返った。(大川洋輔、藤井宏太、堀江麻友)