米ニューヨーク・マンハッタンでピックアップトラックが自転車専用道を暴走し8人が死亡した事件で、運転していたサイフロ・サイポフ容疑者(29)が犯行を1年前から計画し、人出が多くなることを理由にハロウィーンを犯行日に設定していたことが1日、連邦捜査局(FBI)などの調べでわかった。過激派組織「イスラム国」(IS)に触発された経緯も明らかになった。
NYでトラック突っ込む、8人死亡 市長「卑劣なテロ」
NY暴走テロ、「ISに代わり実行」メモ 8人が犠牲
司法当局は同日、容疑者を暴力と海外テロ組織を支援した疑いで訴追した。供述内容をまとめた訴追資料などによると、同容疑者はネット上のISの動画に触発され、1年ほど前に米国内での犯行の立案を開始。約2カ月前には車を凶器に使うことを決め、10月22日ごろにはハンドル操作を練習するためにトラックを借りたという。
その上で同31日、返却の意図もないのに2時間のレンタル契約を結び、マンハッタン南西部の現場に向かった。午後3時すぎ、車で自転車専用道に突入し、南へ1・3キロほど「猛スピード」(捜査当局)で走行。自転車や歩行者らを次々とはね、8人を殺害、12人を負傷させた。バスに衝突して停止した後は、車外に出てアラビア語で「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだ。その後、駆けつけた警察官に腹部を撃たれて取り押さえられたという。
同容疑者のバッグからは携帯電話が押収された。中にはIS関連の宣伝動画などが約90本あり、ISの兵士とみられる人物が、捕虜を軍用車両でひき殺したり、頭部を切断したり、撃ったりする内容だった。また、ISの幹部らが写った約3800枚の画像も保存されていた。ニューヨーク市内のハロウィーン関連の情報を調べたネットの接続記録も残っていたという。
入院先での取り調べ中、同容疑者は病室にISの旗を掲げることを要求。自らの犯行について「気分が良い」とも供述したという。
また、当局が会見で明らかにし…