北九州市八幡東区のテーマパーク、スペースワールドが31日、27年間の歴史に幕を閉じる最後の営業日を迎えた。早朝から入り口前に長い列ができ、午前8時に開園すると、大勢の客が思い出のアトラクションやショーを楽しんだ。
午後6時からは、10年ほど前まで行われていた「シャトル花火イリュージョン」が復活。シンボルのスペースシャトルの模型が青やピンクの照明に照らされるなか、大音量の音楽に合わせて色とりどりの花火が次々と打ち上げられ、夜空を彩った。観客らは歓声をあげながら最後のショーを写真に収めていた。1月1日午前0時は、来場者がカウントダウンして迎えた。
広島市から家族で来た市川雅雄さん(44)は福岡県の大学に通っていたころ初めて訪れた。「迫力があって、花火が降ってくるようだった。いい思い出をありがとう」と話した。
スペースワールドは1990年、新日鉄(現・新日鉄住金)が八幡製鉄所の遊休地に「宇宙体験レジャー施設」として開業。その後、絶叫マシンなどを増やして娯楽性を高めた。最盛期の97年度には来場者216万人を記録したが、2005年に運営会社が民事再生法の適用を申請し、加森観光(札幌市)に経営譲渡した。近年は、お経を聞きながらのジェットコースターなど奇抜な企画が話題を集める一方で、16年には魚を凍らせたスケートリンクがインターネットなどで批判を浴び、一時リンクの営業を中止した。(新屋絵理)