兵庫県西宮市の今村岳司市長(45)が、退任の意向を確認しようとした読売新聞の男性記者に「殺すぞ」などと暴言を吐き、取材を拒否した問題で、今村市長は5日、謝罪する文書を読売新聞大阪本社に提出した。
西宮市長、仕事始めで退任表明 記者に「殺すぞ」発言も
読売新聞、西宮市長に厳重抗議 記者に「殺すぞ」発言
市広報課によると、文書は市長名で「発言は不適切で、撤回するとともにおわび申し上げます」という趣旨の内容だったという。
今村市長はこの日午前、市役所で会見を開き、謝罪する考えを示したうえで、「カッとして暴言を吐いた」などと振り返った。発言に至った理由として、この記者が年末に取材で自宅を訪れた際、「私有地にどんどん入ってきた」などと説明した。
また、一連の問題について市民へ謝罪する考えや、5月までの任期を前倒しして辞職する意向はないとした。
読売新聞大阪本社広報宣伝部は文書を受け取ったことを認め、「取材は適正・公正に行われており、不法侵入という指摘は当たらない。説明内容を訂正するよう申し入れた」とコメントした。
今村市長は4日午前の仕事始め式で、市長選には立候補せず、5月の任期満了で退任する意向を表明。式後、取材のために駆け寄った読売記者に「殺すぞ」「寄るな」などと発言していた。
退任の理由やこの発言をめぐり、西宮市政記者クラブは4日、広報課を通じ、会見の開催を申し入れたところ、今村市長はいったんは拒否したが、5日午前9時半から急きょ開いた。(吉沢英将、崔埰寿)