寿栄小学校の塀崩落について記者会見し、冒頭で謝罪する浜田剛史高槻市長(左)、樽井弘三教育長(中央)ら=2018年6月19日午後7時3分、大阪府高槻市、小林一茂撮影
大阪府北部を震源とした最大震度6弱の地震で大阪府高槻市の寿栄小学校でブロック塀が倒れ、4年生の三宅璃奈(りな)さん(9)が死亡した事故について、大阪府警は19日、業務上過失致死容疑で現場検証した。また高槻市は19日夜に会見を開き、改めてブロック塀が建築基準法に違反していたと認めて謝罪。昨年実施した点検結果も公表したが、内容を問われると、「調査中」と繰り返した。
会見には浜田剛史市長と市教委の樽井弘三教育長が出席。冒頭で浜田市長はブロック塀の構造について、「法令に適合していなかった。市の責任を痛感しており、原因究明と再発防止に全力を注ぐ」と述べ、市の責任を認めた。また樽井教育長は18日に、三宅さんの両親に謝罪したと明かし、「お父さんもお母さんも悲しみに暮れていた。私も多くの言葉をかけることができなかった」と話した。
市によると、倒壊した塀の高さは1・9メートルの基礎部分にブロックを8段(1・6メートル)積み上げた構造で、建築基準法施行令に違反する構造だった。市はブロック塀を含む校内の建物について、3年ごとに専門業者に依頼して安全点検を実施。会見では、2017年1月に実施した定期点検結果の報告書が公表された。
報告書には131項目の内容を記載。各項目には「指摘なし」「要是正」などの欄があり、それぞれ「○」と「-」印がつけられていた。倒壊したブロック塀も「-」と記されており、この印の意味に質問が集中。しかし市側は「当時の業者の記憶があいまい」などと述べ、昨年の調査結果の内容については明らかにされなかった。
一方、この日寿栄小学校では午前10時半から、文部科学省の担当者ら5人がブロック塀を調査。約1時間、塀や基礎部分の割れ目などを調べた。文科省の丹沢広行・文部科学戦略官らによると、基礎部分とその上のブロック部分は、長さ33センチ、太さ1・3センチの鉄筋約50本で接続。これとは別に、塀の中には太さ9ミリの鉄筋が縦と横に40センチ間隔で入っていた。だが、これら二つの鉄筋はつながっていなかった。