トランプ米政権を揺るがすロシア疑惑をめぐり、米紙ワシントン・ポストは8日、捜査に当たるマラー特別検察官が数週間以内に、トランプ大統領の事情聴取を求める可能性があると報じた。トランプ氏側の弁護士が対応策を検討しているという。
報道によると、マラー氏は昨年12月下旬、トランプ氏側の弁護士と会談。その場で、マラー氏がトランプ氏への事情聴取の可能性を議題に挙げた。トランプ氏の関係者は「この動きは我々の認識よりも早い」と話している。
マラー氏は2016年の大統領選にロシアが介入した問題で、トランプ氏陣営との共謀の有無を捜査。また、トランプ氏が捜査妨害を行ったかどうかも対象になっている。
トランプ氏は6日、記者団からマラー氏による事情聴取の可能性について「何ら共謀や違法性は無いし、私は捜査の対象ではない。我々は非常にオープンだ」と述べ、拒否しない考えを示していた。
しかし、トランプ氏側の弁護士は、マラー氏がトランプ氏と直接向かい合って聴取するのを避けたいため、書面によるやりとりにすることなどを検討している。近く、トランプ氏側とマラー氏側が再び会い、実現可能な聴取の方法や、聴取の内容などについて議論するという。
過去、ブッシュ元大統領(子)が04年、ホワイトハウス高官による米中央情報局(CIA)工作員情報漏洩(ろうえい)疑惑に関し、特別検察官から事情聴取を受けた。クリントン元大統領も1994年から「ホワイトウォーター疑惑」で事情聴取に応じている例がある。(ワシントン=土佐茂生)