昨年6月の対局後、澤田真吾六段(右)と感想戦をする藤井聡太四段=昨年6月2日、大阪市福島区、伊藤進之介撮影
将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(15)=愛知県瀬戸市=が、地元で初の公式戦に挑む。名古屋市東区の東桜会館で13、14の両日に開催される第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦トーナメント。初出場の藤井四段が14日の1回戦で対戦するのは前回4強の澤田真吾六段(26)=三重県鈴鹿市=で、注目の東海勢対決になった。
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澤田六段は日本将棋連盟東海研修会(名古屋市)で、小学生だった藤井四段に指導対局をしている。当時の藤井四段の成績表には、駒落ちのハンディ戦で藤井四段の3勝2敗の成績が残る。
藤井四段の公式戦29連勝中には、終盤まで追い詰めながら2勝を献上した澤田六段。研修会事務局を担当し、2人を知る連盟棋道師範の竹内努さん(61)は「澤田六段もいずれタイトルが狙える若手の実力者の一人。大熱戦の“東海ダービー”になる」と大一番に期待する。
名古屋対局は2日間で1回戦、2回戦の計6局があり、8人の棋士が参加する。13日は史上初の「永世七冠」を達成して国民栄誉賞が決まった羽生善治竜王(47)が、14日には佐藤天彦名人(29)が登場。羽生竜王、藤井四段がそろって勝ち上がれば、準決勝(東京)で公式戦初となる両者の対局が実現する。
大盤解説会があり、藤井四段の師匠杉本昌隆七段(49)らが解説を担当。対局を終えた棋士も駆けつける。当日券(2千円、高校生以下千円)は13、14の両日とも、午前9時から東桜会館2階受付で販売する。(滝沢隆史)