雪道の運転訓練をする県警交通機動隊=山形市漆山の県警運転技能指導コース
山形県警交通機動隊の冬道運転訓練が10日、山形市漆山の立谷川河川敷の県警運転技能指導コースであった。同隊の12人が参加。パトカーに乗り込み、雪道のコースで急ブレーキや蛇行運転の訓練をした。同隊は冬道の運転感覚を取り戻すため、毎冬のはじめに訓練をおこなうという。
前日から降り続く雪で路面はシャーベット状。斎藤哲弥副隊長は「滑るだけでなく、引っかかって思わぬ方向にハンドルを取られたりする。雪道では急ハンドル、急ブレーキなどの操作を避け、余裕を持って落ち着いて運転してほしい」と話した。
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広島、大阪、東京と移り住み、雪とほぼ無縁の生活を送ってきた。車の運転は、山形に来た昨年春から。夏でも運転の自信がないのに、この冬は人生初の雪道の試練。若葉マーク輝く愛車ヴィッツに、交通機動隊の福井大介巡査部長(40)の同乗をお願いし、訓練を体験した。
路面はすべりやすいシャーベット状の雪だ。直線で時速40キロまで上げた後、一気にブレーキを踏む訓練。「ガッガッガッ」。ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が働き、足に振動がくる。びっくりして、緩めようとすると、福井巡査部長は「しっかりそのまま踏み込んで」。制動距離は長くなるものの、ABSが働けばブレーキは利く。「落ち着いてハンドルを動かしてみてください」。減速後、障害物回避に集中すればいい、という。
蛇行コースを行くと、わだちにハンドルを取られ、思うように進めない。時速30キロでカーブに入ると、右に切ろうとしたハンドルを取られ、いったん左に大きくふくらむ。「あわわ」と急ハンドルになってしまった。危ない。
雪やわだちにハンドルを取られてしまった時、どうすべきか。福井巡査部長は「まずは落ち着くこと。ABSがあればブレーキをしっかり踏めば止まる。一番重要なのは、急なハンドル操作をしなくて済むよう、スピードを抑えてカーブに入ることです」。(青山絵美)