斉藤容疑者らによる詐欺事件の構図
スーパーコンピューター開発を巡る国の助成金詐欺事件で、東京地検特捜部に再逮捕されたスパコン開発会社前社長の斉藤元章容疑者(50)が、取引先への外注費を水増しして不正に助成金を得た疑いがあることが関係者の話でわかった。外注費は経費の大半を占め、すでに詐欺罪で起訴された別の助成金でも水増ししていた。
スパコン詐欺事件で前社長らを再逮捕 東京地検
経済政策の柱、膨らんだ助成 スパコン開発巡る詐欺事件
特捜部によると、斉藤容疑者は国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の2012~13年度の助成事業で、経費を水増しした虚偽の実績報告書をNEDOに提出し、約1億9100万円をだまし取ったとして再逮捕された。
関係者によると、斉藤容疑者はスパコン開発会社「PEZY Computing」の部下だった鈴木大介容疑者(47)に指示し、スパコン開発に必要な省エネデータ処理装置の取引先への外注費を水増しし、虚偽の実績報告書をNEDOに提出した。当時、この装置は未完成だったが、経費の一部として計上。装置はその後完成し、スパコンに搭載された。
この助成事業は開発にかかった実費の3分の2をNEDOが負担する仕組み。実費のうち外注費は人件費や消耗品購入費などに比べて金額が大きく、特捜部は斉藤容疑者らが外注費を選んで操作したとみている。
2人はNEDOが13年度に実…