5、6の両日行われた「フレンドリーゲーム」にはBリーグのU15チームと地元の中学校計18チームが参加した(Bリーグ提供)
将来のBリーグ選手育成を目指し、各クラブの中学生世代(U15)の活動が今年から本格化する。3年後には、プロ入りに直結する高校生世代(U18)のチームの整備も見据える。学校での部活動が盛んだったバスケットに、どんな変革をもたらすのか。
1月5、6の両日、千葉県浦安市で、Bリーグ14クラブのU15チームと地元の中学校4校が交流する「フレンドリーゲーム2018」があり、西宮が優勝した。横浜、栃木、山形だけだった初開催の昨年から、参加チームが急増した。
リーグはB1全クラブに対し、今年4月までにU15チームを設置するよう求めている。20年度までは移行期として中学校の部活動との二重登録を認めており、現段階では部活動に加えて、塾や習い事のようにユースの練習に通うスタイルのクラブが多い。
bjリーグ時代からスクール事業に力を入れてきた横浜は、史上最年少で日本代表候補に名を連ねた横須賀市坂本中3年の田中力(15)を昨春から指導。圧倒的な得点力から中学校の部活動では「オールラウンダー」にならざるを得なかった田中の将来を見据えてポイントガードとしての基礎をたたき込むなど、目先の勝利を追わなくていいユースの利点を発揮した。
一方、4月に設立予定のA東京は、部活動などとの二重登録を認めずに週5回の練習を実施する予定だ。リーグは今夏初めて本格開催するチャンピオンシップなど、U15ユースの全国大会を年3回用意した。さらに中学校や地域のクラブチームなども含めた大会や都道府県リーグの開催も日本協会と協議中。ユースだけで活動する選手が力を試す舞台の整備を進めている。
見据える先にはU18がある。3年かけてU15で下地を作り、各クラブには21年4月までにU18チームを設置することを求めている。U18では高校の部活動との二重登録を認めない方針だ。夏の全国高校総体や冬の全国高校選手権など高校生の登竜門である大会に出られなくても、「ユースの方がプロに近い」と選手自身に選んでもらえる環境の整備が求められる。
強化育成部の塚本鋼平さんは「日常的に高いレベルで試合ができる環境を作りたい。またその後の進路も大事。ユースに所属することでプロへの道を歩むことができるし、大学進学もできるという状況を整えていきたい」と話す。(伊木緑)