米紙ニューヨーク・タイムズは17日、トランプ米政権のロシア疑惑を巡り、バノン前大統領首席戦略官がマラー特別検察官の捜査チームの聴取を受けることに同意したと伝えた。大統領選からの内情を知りうる元最側近の供述にホワイトハウスは警戒を強めている。
バノン氏はマラー特別検察官から先週、大陪審への召喚を受けていた。マラー氏側と取引をし、バノン氏が大陪審での証言を避け、捜査チームの聴取を選んだ形になった。
ただ、マラー氏は聴取の後でもバノン氏を大陪審に召喚することができる。同紙は、バノン氏を大陪審へ召喚したのは、速やかに聴取に同意させる戦略だった可能性を指摘した。バノン氏は捜査への協力姿勢を示しているという。
その一方、バノン氏は16日、下院情報特別委員会でトランプ政権に関する質問に対する証言を拒否した。ホワイトハウスは委員会中に逐一電話でバノン氏の弁護士に指示しており、民主党議員からは「箝口(かんこう)令だ」との批判が出ている。
今月発売されたトランプ政権の内幕本では、バノン氏がマラー特別検察官の捜査の焦点が資金洗浄だとの見方を示したと記述。トランプ氏の長男ジュニア氏らの資金洗浄疑惑が濃厚だと指摘していた。(ワシントン=杉山正)