京セラドームにあるオリックスの球団グッズなどを扱うショップ=大阪市
各地でキャンプ入りし、今季が始動したプロ野球。新たなユニホームも登場するなか、レプリカユニホームなど球団グッズの販売をめぐり、スポーツ用品メーカーがビジネスモデルを変えつつある。競技人口が減ったため、観戦に訪れるファンを取り込む作戦だ。
大阪市が本拠のオリックス・バファローズは今季、公式戦で着る新デザインのユニホームを採用した。京セラドームでのホーム用、他球場でのビジター用とは違う、赤いロゴだ。
お披露目された昨年11月のファンイベントでは、球団のオリジナルグッズを身につけた参加者が、選手との記念写真などで盛り上がった。ドーム内で球団公式の関連商品を扱う「BsSHOP(ビーズショップ)」もファンで熱気を帯び、レプリカユニホームやタオル、バッグといった関連商品を買い求めた。
ユニホーム充実、先駆けは米企業
「ユニホームやキャップを身につけて応援すれば一体感が高まり、また球場に来てもらいやすくなる」。オリックスの商品企画担当者は説明する。レプリカユニホームは以前、有力選手のものだけだったが、昨季から全選手分をそろえた。ユニホームを3種類にしたのも、ファンに買ってもらう機会を増やすためだ。
オリックスの関連グッズを手がけるのは、スポーツ用品大手のデサント。かつては選手にユニホームなどを提供し、自社のブランドや認知度を高めて販売につなげた。いまや、球団グッズ自体が有望な市場だとみて、ファンへ直接アピールする。同社マーケティング部の江連悠次郎さんは「ファンの需要に応える商品を展開し、早くビジネスモデルを確立したい」と話す。
プロ野球にこうしたビジネスモデルを持ち込んだのが、米国のファナティクス(マジェスティックから社名変更)だ。メジャーリーグ30球団にユニホームを提供し、2014年には東北楽天ゴールデンイーグルスと契約。日本で現在、5球団のユニホームを担う。
同社の強みは品ぞろえの多さだ…