公式練習を前に、新しいティッシュケースを眺める羽生結弦=遠藤啓生撮影
平昌五輪のフィギュアスケート男子で連覇した羽生結弦(23)=ANA=が使っていたティッシュカバーが注目されました。いつも試合で使う「くまのプーさん」が話題になり、今大会はイチゴのケーキのカバーを使用していました。そもそも、フィギュアスケート選手はなぜ、風邪を引いていなくても鼻をかむ必要があるのでしょうか。
言葉を動きに、動きを言葉に。「孤高の星 羽生結弦」
理由は、少しでも鼻水がたまっていると、ジャンプやスピンをするときに遠心力で鼻水が飛び出してしまうから。競技経験のある私も、特に遠心力のかかる3回転ジャンプのときなど鼻水が飛び出し、困りました。スピンの途中に鼻水がぶら下がるというハプニングも目撃したことがあります。芸術性も重要な競技で鼻水を審判に見られるのは避けたいところ。プログラムを滑る前はしっかり鼻をかんでおいて演技に集中できるように準備していました。
ただ、練習中に頻繁に鼻をかんでいると「さぼっている」とコーチに叱られることもあります。女子で会心の演技で4位となった宮原知子選手(19)=関大=は練習中無駄な時間を一切省いて、集中しているそうです。指導するコーチは「鼻をかむ時間まで惜しんでいるくらい、頑張っている」と褒めたほど。オリンピアンはやはり意識が高いのです。(橋本佳奈)