内閣府の無線中継所。中央奥にあるフェンスの先が防衛省の通信所予定地。立ち入り禁止区域の外から撮影した=24日、いずれも大和村
防衛省が奄美大島の湯湾岳周辺で計画する通信所の建設に、懸念の声が広がりつつある。予定地は島が登録を目指す世界自然遺産の推薦地のすぐそばで、その内外に多くの希少動植物が生息するためだ。自然保護関係者は以前から反対していたが、遺産化に向けて国に助言する立場の専門家からも「登録への影響が出かねない。別の場所にすべきだ」との指摘が出ている。
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予定地は大和村と宇検村にまたがる湯湾岳の山頂(694メートル)から約1キロの大和村有地。内閣府沖縄総合事務局の無線中継所がある場所の北側に隣接する。
湯湾岳は貴重な生き物のの宝庫で、来夏に登録の可否が決まる世界自然遺産の推薦地が広がる。ただ推薦地となっているのは、昨春に誕生した奄美群島国立公園の中で最も規制が強い「特別保護地区(特保)」とその次に規制が強い「第1種特別地域」。予定地は「第2種特別地域」で、推薦地を守る緩衝地帯という位置づけ。環境省によると、2種でも野生動植物の重要な生息地では工作物の建設は原則禁止だが、公益性があり、代替地がない場合は認めることもある。
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