働き方改革関連法案をめぐる労働時間の不適切なデータ問題で、加藤勝信厚生労働相は26日の衆院予算委員会で、一般労働者に関して新たに233件の「異常値」が判明したと説明した。一方、与党は野党が求めていた調査のやり直しなどを事実上拒否。野党は反発を強め、新年度予算案の衆院通過が与党の当初予定していた27日から28日以降にずれ込むことになった。
233件の異常値が新たに見つかったのは、安倍晋三首相が撤回した国会答弁の根拠になった厚労省の2013年度の「労働時間等総合実態調査」の一部。加藤厚労相は、一般労働者に関するこれらの異常値とは別に、企画業務型の裁量労働制で働く人の労働時間が2時間以下となる不自然なケースも計42件見つかったと説明した。
自民党の森山裕・国会対策委員長は26日に立憲民主党の辻元清美・国対委員長と国会内で会談。立憲など野党6党が与党に要求していた調査のやり直しや法案の提出断念について、自民、公明両党の幹事長名で「申し入れを踏まえ、与党からも政府に一層の努力を申し伝えた」などとする回答を文書で伝えた。森友学園への国有地売却問題に関連し、財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)の証人喚問についても「引き続き現場で協議させたい」とした。
これに対し、野党は「回答として認めるわけにはいかない」(立憲・福山哲郎幹事長)と反発。与野党の幹事長・書記局長会談が同日深夜まで断続的に続いたが、折り合いがつかなかった。その結果、衆院予算委を27日に開くことができなくなり、新年度予算案に関する衆院予算委と本会議の採決も28日以降になった。(笹川翔平、村上晃一)