選手村の食堂と宿舎(奥)の間には長いスロープがあった=8日午後、韓国・平昌、竹谷俊之撮影
平昌パラリンピックの選手村を8日、歩いた。お昼時、食欲をそそるにおいに誘われて食堂へ。
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焼きたてのピザ、熱々のローストポーク、うどんやパスタ、新鮮そうな野菜やフルーツが並ぶサラダバーもある。ご当地名物のキムチは6種類。車いすでも使いやすいよう、料理が置かれた台は低め。日本選手からも「おいしい」と好評な食事を囲み、開幕目前の選手たちに笑顔が目立った。
食堂と選手が生活する宿舎は別々の棟にある。食事を終えて宿舎に戻るには、傾斜のある約80メートルのスロープを進まないといけない。カナダ選手が腕に力を入れて車いすをこいでいた。杖をつく片足の男性が、雪が残る坂道に気をつけながら歩く姿もあった。
日本選手団の主将、アイスホッケーの須藤悟(47)は「車いすだと傾斜がきつい。雪が降るとなかなか進めなくて」。アルペンスキーの村岡桃佳(21)は「生活はしやすいです。けど、食堂から宿舎までが遠いのが、ちょっとつらいかな」と語った。
2020年東京大会がある日本にとって、利用者の生の声は貴重だ。アルペンスキーで5大会連続出場の森井大輝(37)は言う。「大会ごとに選手村がレベルアップしています」。2年後、東京はどんな選手村で選手たちを歓迎できるだろうか。(波戸健一)