リニューアルした松下幸之助歴史館。1933年に門真に移った本店の跡地に建てられ、当時の外観も再現した=6日、大阪府門真市、細川卓撮影
パナソニックは、創業から100年を迎えた7日、大阪府門真市の本社敷地内に「パナソニック ミュージアム」を開いた。創業者の生い立ちや経営哲学を学ぶ「松下幸之助歴史館」をリニューアルし、歴代の家電製品が並ぶ「ものづくりイズム館」も新設。9日から、学びの場として一般にも開放する。
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歴史館には、幸之助が発明したヒット商品「二股ソケット」や「角型ランプ」のほか、1932年に社員を集めて会社の使命を語った「所主告辞」の巻物、64年に窮状を訴える販売店主らに配った「共存共栄」の色紙など、貴重な原資料や写真を展示する。
創立時に工場兼住宅として使われていた借家を再現した模型には、幸之助らを模した人形が新たに置かれ、社員に練りものの調合を教える場面を再現している。全体の説明パネルは大幅に増やされ、対応言語も9カ国語に増やした。
ものづくりイズム館は、旧歴史館を改装して開設された。三種の神器と言われた白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機の第一号製品のほか、デザインやエンターテインメント、小型化や長寿命などのテーマに分けて550の家電製品が並ぶ。50年代から活躍したマスコットキャラクター「ナショナル坊や」の人形が並ぶ写真撮影スポットもある。
7日は開所式が開かれ、門真、守口の両市長や同社幹部ら40人が出席。津賀一宏社長は「私たちにとってこの節目は、創業者や先達の足跡を振り返り、今後も一年一年、着実に歩みを進める決意を新たにする重要な年。創業の理念を共有し、弊社が次の100年も発展を遂げていけるよう、社員一同、努力を重ねていく」と話した。
入館は無料。開館は午前9時から午後5時(日曜日は休館)。問い合わせはミュージアム(06・6906・0106)へ。(新田哲史)